「銀行預金の不正引き出し被害に遭われた方へ」
現在の被害と補償の状況について
全銀協主導の自主ルールに沿って各銀行の約款が改定され、数ヶ月が経ちました。
通帳、インターネット取引による不正払い出し被害についても盗難・偽造カードと同様に原則、金融機関が補償することになりました。
ですが果たして本当に預金全体の安全性は向上したのでしょうか。
つい最近金融庁が発表した「2007年度4月〜12月の預金などの不正引き出しに関する被害状況」によると、減少傾向にあるものの、偽造キャッシュカードが550件(2006年度は通年で663件)、盗難キャッシュカードは3,812件(同6,863件)、盗難通帳は170件(同253件)も発生しています。さらにインターネットバンキングの被害件数は2005年度は49件、2006年度が100件だったのに対し、2007年度は今回発表があった4月〜12月の9カ月間だけで191件となり、増加傾向を示しています。
こうした被害に対する補償は更に心もとない状況です。会へ寄せられる相談には「盗難の合理的立証ができないために補償はしない」、などと訳のわからない説明をする銀行まであります。警察が盗難の被害届けを受理しているにも関わらずです。
金融機関が不正引き出し被害の補償を拒否できるのは唯一「預金者の重過失」を立証できた場合です。
金融機関の理不尽な対応に最近、ひとつ、正義の判決が出ました。大阪地裁はKさんの主張を全面的に認め、S銀行に対して全額補償の判決を出しました。詳細については「裁判情報」のページをご覧下さい。
この2年間に起こされた裁判では、預金者保護法施行以前のいわゆる過去被害も含め、金融機関側が100%に近い補償を申し出て和解で解決されたケースは沢山ありまが、今回が初の勝訴判決になります。
一方、預金者保護法の「30日ルール」がネックとなり、東京地裁では敗訴し、高裁での控訴審第一回がこの6月5日に行われます。詳細はこちらも裁判情報」のページをご覧下さい。
預金者保護法の精神が全金融機関に浸透するまではまだしばらくの時間がかかると思われます。金融機関が当然の義務「預金の安全を自らの責任で守ること」に目覚めるまで、監視の目をゆるませることはできません。
預金の安全を守るのは第一義的には預金者自身です。自分のカードも通帳もネット情報も盗まれないよう、最大限の注意を払うことはもちろんですが、不幸にして被害に遭ったときは金融機関の責任ある対応を求め、辛抱強く交渉することで全体の大きな流れを作りましょう。
絶対にあきらめないことです。
ひまわり草の会、世話人一同
|